著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

佐藤春夫は風景の変化を予想した 浅草から銀座へと散歩区が変わる東京

公開日: 更新日:
銀座4丁目交差点付近の惨状。架線が垂れ下がり、自動車や市電の残骸が転がる。右の鉄骨組みの建物は第一徴兵保険が建設中の銀座ビルで、松屋が借りることになっていた。中央奥は京橋方向で第一相互館が見える(1923=大正12=年9月)/(日本電報通信社撮影)

 都市から田舎の良さを見つめ直す作家の目は、東京から江戸期の人情や義理、果てはこまやかな感情のほとばしりが失われていくことに寂しさを感じたのであろう。そういうエッセーを紹介するなら、佐藤春夫の「滅びたる東京」(大正12年11月発表)などを挙げても良いであろう。関東大震災の2カ月後… 

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