安倍派5人衆の政治責任は塩谷座長を“生贄”で幕引きか…森元首相の介入で茂木幹事長が腰砕け

公開日: 更新日:

 アノ人の登場で、安倍派幹部に対する処分がグダグダになってきた。「自発的な離党や議員辞職を求める」としていたはずの自民党執行部の勢いが急速にしぼみ、“お飾り”座長の塩谷立・元文科相ひとりを“生贄”にしてシャンシャン。安倍派の大ボス・森元首相がシャシャリ出てきて、そんなシナリオが画策されているという。安倍派の実権を握ってきた「5人衆」が不問なんて、どう考えてもおかしい。揃って議員辞職しなけりゃ、世論は納得しない。

【写真】この記事の関連写真を見る(21枚)

  ◇  ◇  ◇

 安倍派幹部「5人衆」は、西村康稔・前経産相、萩生田光一・前党政調会長、高木毅・前党国対委員長、松野博一・前官房長官、世耕弘成・前党参院幹事長。安倍派は約6億円もの裏金づくりで立件されながら、幹部はいずれも責任逃れに終始している。27日も現事務総長の高木氏が地元・福井県で記者会見し、「国対委員長という重い役職を辞めたのは一つの政治責任の取り方」とヌカして、離党や議員辞職を否定した。

 党の役職辞任なんて自民党というコップの中での話であり、国民に対して政治責任を取ったことには全くならないのだが、5人衆が強気なのは、親分の森元首相が5人衆を強力に擁護し、茂木幹事長が腰砕けになっているからだ。

「自民党執行部が安倍派幹部に自発的な離党や議員辞職を求めたことに激怒した森元首相は、25日に麻生副総裁を訪ねただけでなく、茂木幹事長にも会った。どうやら今回の処分方針は茂木さんの独断で、岸田首相は処分に慎重だという。で、形勢が悪くなった茂木さんは、森さんに平謝りだったそうです」(自民党関係者)

 森元首相は26日には塩谷氏とも会談。そこで「今後のこともあるので5人衆を何とか助けてやってくれないか」と切り出したという。要するに森元首相は、「座長の君が離党なり議員辞職なりすれば5人を守れる」と言いたいわけで、塩谷氏に犠牲になれということだ。これに歩調を合わせるように、5人衆も塩谷氏にすべての責任をかぶせようと画策して蠢き出した。

 こうなると、ひとり“生贄”に差し出される形の塩谷氏もさすがに反発。28日地元・静岡県で会見し、「誰かが辞めて幕引きするような状況ではない」と、議員辞職や離党を否定した。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  3. 3

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 4

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  5. 5

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  1. 6

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  4. 9

    神宮再開発「新秩父宮ラグビー場」公聴会で大混乱…小池都政の横暴に都庁では徹夜で抗議

  5. 10

    高市政権は「安倍イタコ政権」か? 防衛費増額、武器輸出三原則無視、社会保障改悪…アベ政治の悪夢復活

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情