旧安倍派「石破降ろし」フルスロットルのワケ…恨み骨髄!引き金は森友文書の開示決定だった

公開日: 更新日:

 自民党の衆院1期生に商品券を配布した問題で、石破首相が与野党の集中砲火を浴びている。石破首相は「政治活動に関する寄付ではない」と違法性を否定するが、公邸で催した会食がきっかけだから限りなくグレーだし、世間の心証は真っ黒だ。この展開にニンマリなのは、恨み骨髄の旧安倍派の面々。裏金集団による「石破降ろし」の流れに棹をさしている。

  ◇  ◇  ◇

「石破降ろし」の急先鋒に立ったのは、裏金議員の西田昌司参院議員。改選を迎える夏の参院選をにらみ、12日の参院議員総会で「今の体制では全く戦えない。総裁選を実施し、新たなリーダーを選び直さないといけない」とのろしを上げた。その翌日、商品券配布問題が露呈。シメシメの展開となった。

「総理主催の会食で、土産として商品券を渡すのは慣例。当選回数が多いほど、額が積み上がっていく」(自民ベテラン議員)という。長らく総裁派閥だった旧安倍派からすれば勝手知ったる流儀だろうが、そこは頬かむり。

 石破首相が会長を務める党鳥取県連所属の舞立昇治参院議員は16日の地元会合で、「歴代の首相が慣例として普通にやっていたこと」とフォローしたものの、後の祭りだ。

 毎日新聞の世論調査(15、16日実施)によると、商品券配布を「問題だと思う」との回答は78%に上り、「問題だとは思わない」の12%を大きく上回った。内閣支持率は前月比7ポイント減の23%に急落。岸田政権末期の水準に並んだ。

■商品券配布問題にニンマリ

 高額療養費制度の改悪はスッタモンダの末に凍結し、年金制度改革をめぐってもドタバタしている。石破政権のメチャクチャな国会運営に振り回される世間もウンザリしているが、裏金集団の旧安倍派の連中が義憤で動くとは考えられない。「旧安倍派幹部は、森友学園問題への石破総理の対応に怒り心頭。巻き返すタイミングを虎視眈々と狙っていた」(与党関係者)というのである。

 第2次安倍政権の屋台骨を揺るがした森友問題をめぐっては、1月末に大きな動きがあった。国有地売却に関する財務省の公文書改ざんをめぐり、大阪高裁が関連文書の不開示決定を取り消し。改ざんを強いられて自死した元近畿財務局職員の妻の赤木雅子さんが起こした訴訟だった。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  2. 2

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  3. 3

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  4. 4

    公明党が自民党総裁選に異例のドーカツ…「ポスト石破」本命の高市早苗氏&小泉進次郎氏に影落とす

  5. 5

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  1. 6

    「ポスト石破」最右翼、小泉進次郎氏が来週出馬表明も…コメ政策のグダグダが総裁選の足かせに

  2. 7

    “真打ち”か“客寄せパンダ”か? 総裁選出馬と報じられた小泉進次郎氏に尽きない不安…「知識」「教養」「政治経験」何もナシ

  3. 8

    茂木敏充氏が狙うは“未経験ポスト”財務大臣…自民党総裁選に一番乗りも支持は広がらず

  4. 9

    参政党に自民落選組がワラワラ“大移動”の可能性…「このハゲー!」豊田真由子氏が役員就任の無節操

  5. 10

    どこまで姑息か国民民主・玉木代表…千葉県連の「パワハラ問題」お手盛り調査でこっそり“幕引き”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束