数々の最高裁判断で建国250年の米国大揺れ 出生地主義が守られたことで「移民の国」は首の皮一枚つながった
20世紀以降のアメリカの倫理観の土台は、移民や難民に門戸を開くことだった。今回それが大きく揺らいだ。
こうした巻き戻しの中で、ただ一つ守られたのが出生地主義だった。
出生地主義とは、アメリカで生まれた者は原則としてアメリカ市民であるという、憲法で守られた権利だ。しかしトランプ大統領は、親が不法滞在者や一時的な滞在者であれば、市民権を認めないという大統領令を出した。
最高裁は、この大統領令を違憲とし、出生地主義はひとまず守られた。ただし、これはもともと移民のために作られた原則ではない。南北戦争後、黒人はアメリカ市民になれないという、人種差別的な判決を否定するものだった。それが移民の子どもたちにも適用されたのである。
だからこそ、守られた意味は大きい。とはいえ、最も根源的な約束さえも攻撃対象になった。移民の国アメリカは今や、首の皮一枚でつながっている。



















