上原の大躍進 秘密は「メジャーで2番目に遅い球」と権藤博氏

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 上原の140キロの直球は、メジャーの打者にとっては打ちごろ。スーッとストライクを取りにいくと、打者は来たっ! と思う。その一方でどこかにフォークか? というのが頭にあるから、スイングの振り出しが鈍る。佐々木の150キロなら空振りになるが、上原の140キロはそれでもバットに当たり、打球はダイヤモンドの中に飛んでしまう。この違いが大きいのだ。もちろん、球速はともかく、キレと球威があるから打球がアウトになるということも付け加えておかねばならない。

 上原と佐々木には共通点もあり、どちらも直球とフォークが主体。最速こそ違うが、佐々木の直球が150キロ、フォークが140キロなら、上原のそれは140キロと130キロ。真っすぐとフォークの球速差が両者とも同じ10キロある。この球速差が15キロ、20キロなら打者には見極められてしまう。10キロだから、打者は真っすぐとフォークの見極めがつかず、フォークが視界から消えるような錯覚に陥る。ワールドシリーズに駒を進めた上原の快投は、スピードボールだけがクローザーの条件ではないことを示している。
権藤博

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