権藤博がチクリ「監督賞も罰金も指導者の自己満足」

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 監督賞の相場は、だいたい3万円から10万円というところだろう。微々たるものとは言わないけれど、何千万円、何億円という給料を稼ぐプロの一軍選手にとっては、一晩でなくなってしまうくらいの額である。そういう連中の鼻先に賞金をぶら下げて、これで奮起してくれればなんて考えるのは監督の自己満足。それでヤル気になる選手がいるのだとしたら、これはこれでレベルが低いと言わざるを得ない。

 罰金も一緒。ミスをした選手に雷を落とし、ペナルティーとして5万円だ10万円だと徴収する監督も同じように多い。これとて、どれほどの効果があるのか。ミスを犯せば誰だって反省する。罰金の有無は関係ない。罰金にしても賞金にしても、目先のお金で選手を操縦し、チームを掌握するという考え自体が私には理解できないのだ。

 近鉄でのコーチ時代、こんなことがあった。寝坊で何度も練習に遅刻してきたある投手から10万円の罰金を取った。他の選手に示しがつかないからペナルティーを科したのだが、その投手からお金を受け取って、私は困った。さて、この10万円をどうするべきか。初めてのことだったので、どう処理したらいいのか分からなかった。考えた末、罰金の経緯と投手の近況をしたためた直筆の手紙を添え、実家のご両親に送った。その投手はこたえたろう。この話は、当時の近鉄投手陣の間では笑い話になっているそうだが、罰金なんて笑い話になるくらいでちょうどいい。本気でやったら、選手がソッポを向くようになるだけである。
権藤博

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