著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

大人の斜視(2)第二の老眼「サギングアイ症候群」

公開日: 更新日:

 年をとれば誰にでも起こり得る可能性があるため、「第二の老眼」ともいわれている「サギングアイ症候群」をご存じでしょうか。

 サギングアイを直訳すると「たるみ目」。この訳を聞くと、まぶたがかぶさってくる「眼瞼下垂」を連想する人が多いかもしれません。が、サギングアイ症候群は、まぶたではなく、眼球を固定する組織のたるみが原因の病気となります。

 眼球は球状をしており、リング上に取り囲む組織「眼窩プリー」によって眼球の動きを安定に保っています。眼窩プリーは、コラーゲンを多く含んでいます。年をとるとともにコラーゲンは減少し、それに伴い眼窩プリーも劣化し、たるんでいきます。すると眼球の動きが不安定になり、眼球の位置がずれやすくなってしまうのです。

 この状態になると、片側の目が正面を向いている時、もう片側の目が正面以外の方向を向いてしまうことが起こりやすくなります。これを「斜視」といいます。

 もともと「高齢になると斜視が増える」ということは指摘されていました。ただ、サギングアイ症候群という概念はありませんでした。高齢で増える斜視のメカニズムが解明され、その概念が発表されたのが2009年。アメリカ、韓国、日本で行われた疫学調査では、いずれの国でも、60代以上の後天性斜視のうち1位がサギングアイ症候群となっています。

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