ソフトバンク1位指名・加治屋蓮が乗り越えた「母の不幸」

公開日: 更新日:

 試合は雨で順延。翌日の再試合を控え、家に帰ってきたとき母の死を聞かされ、全身の力が抜けた。そしてむせび泣き、立ち上がれなかった。それでも博樹さんは翌日、長男を試合に送り出した。

「家にいてじっとしてるよりは試合に出て、少しでも野球に携われ。その方がお母さんも喜ぶやろ。近くで沈んだ顔をしているより、好きだった野球をやった方が喜ぶんじゃないか……そう言ったんです。まあ、試合はボロ負けでしたけど、あれはあれでよかったと思っていますよ」

■現場監督と“主夫”

 妻を亡くしてから博樹さんは2つの「仕事」を持った。当時働いていた土木工事の現場監督と、「主夫業」だ。毎日朝5時半から6時の間に起き、息子2人の弁当作り。それから朝食の準備をし、仕事に向かう。仕事中も3時前後になると、「さて、夕飯は何を作ろうか」と頭を悩ませた。

「お母さんが看護師で夜勤の時もありましたから、もともと1週間に1、2回は僕が夕食を作っていたんですが……。いや、自分でもよくやれたと思います。無理だと思っていても、いざその立場になると出来るもんですね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    竹内結子さん、石原さとみに立ちはだかった女優35歳限界説

  2. 2

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  3. 3

    巨人・岡本和真がビビる「やっぱりあと1年待ってくれ」…最終盤に調子を上げてきたワケ

  4. 4

    沢口靖子はまさに“奇跡のアラ環”!「2025年で『60歳』のお美しい女性有名人」圧倒的1位の原点

  5. 5

    視聴率トップ「モーニングショー」山口真由氏に続き…女性コメンテーター2人も"同時卒業"の背景と今後

  1. 6

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  2. 7

    山口真由氏「妊娠・休養」報道で人気を証明 復帰後に約束された「最強コメンテーター」の道

  3. 8

    杉田かおるが財閥創業者の孫との離婚で語ったこと

  4. 9

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  5. 10

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」