ノーマル8位入賞も…葛西の足かせになった「主将」の責務

公開日: 更新日:

 レジェンドの「不発」にはワケがあった。

 ジャンプ男子ノーマルヒル決勝に7大会連続五輪出場の葛西紀明(41)が出場。1本目101.5メートル、2本目は100メートルと距離を伸ばせず、合計255.2点。メダルは遠く、8位入賞が精いっぱいだった。

「失敗しない限りは金メダルに近づいている」とジャンプ後に悔しさをにじませたが、その悔しさは結果だけではない。本番に向けた調整が「ある事情」により思い通りにいかなかったからだ。それは、日本選手団「主将」の肩書と大きな関係がある。

■義理堅さやおとこ気が裏目に…

 葛西は今大会前、冬季五輪では最多出場の実績が買われ、日本オリンピック委員会(JOC)から主将に任命された。当初、本人は「大変名誉でありうれしいこと」と大役の抜擢を喜んでいたが、その裏では複雑な思いを抱いていた。

 スキー関係者がこう話す。

「実は、関係者は葛西に主将を辞退させたかったのです。主将になると、開会式に出たり、他競技の応援にも行かなければならず、自身の調整に集中できなくなるおそれがあったからです。しかし、JOCは主将にふさわしい人物が代表メンバーに見当たらなかったため、半ば強引に葛西を指名した。葛西は義理堅いうえ、おとこ気もあるので受け入れたのですが、本人も周囲も現地入り前から調整不足に陥る不安を隠せない様子でした」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…