<第11回>「長男はかまってあげられませんでしたし、野球も教えていません」

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 家族4人で岩手に越してきた93年7月、大谷の兄・龍太(27)は5歳、姉・結香(22)は1歳になる前。大谷が生まれるのは1年後になる。

 龍太は半年だけ幼稚園の年長組に通った後、小学校へ。遊びたい盛りだったし、小学校に通うようになってからは、しきりに小学校単位のスポーツ少年団で野球をやりたがった。

 しかし、入ったのはスポーツ少年団より規模の小さい、地域の子供会単位のチームだった。大谷の母・加代子(51)が当時を振り返ってこう言った。

「年に1回、大会があるような……ちょっと野球をかじったというくらいです。本人は少年団でやりたいと言っていたのですが、少年団は小学校単位でしたから。そのころには家を建てる計画もあって、小学校が替わると少年団も替わることになります。なので、もうちょっと待ってて、待っててと。本格的に野球を始めたのは5年生になってからです。おにいちゃんは本当にかわいそうでした」

 長男に本格的に野球をやらせることが出来なかった理由はそれだけじゃない。

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