小野俊哉
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小野俊哉ノンフィクション作家

1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲取締役社長。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。

データのプロ指摘 巨人は「先制逃げ切り」への“体質転換”急務

公開日: 更新日:

 通算900勝を達成した巨人の原監督、逆転優勝のためには?

 スコアボードに刻まれる得点は、同じ1点でも価値は異なる。早く得点することに勝利の本質が潜んでいるからだ。

 初回に注目した。セの21世紀最多勝は09年原巨人の89勝(46敗)だ。初回に得点しリードした試合は41試合に達し、ここで36勝4敗1分け。勝率が9割、貯金32と荒稼ぎした。

 08年から5年連続最下位だった横浜は同年93敗。それでも初回にリードすれば15勝8敗と勝ち越している。逆に、いきなり先制されると5勝38敗の惨状には驚くが、これは初回失点の恐ろしさを物語っている。

 初回のリード。実は伝説のⅤ9巨人が親会社の読売新聞に論評することを禁じ、隠していた必勝法である。それでも川上監督はⅤ6(70年)の34勝5敗1分けが最高だから、6年前の原監督はⅤ9を凌駕する内容を誇った。

 では今季の原巨人はどうか。26日時点、初回にリードしても8勝4敗。リードされると2勝9敗。計10勝13敗では「帳尻」が合っていない。首位を走るDeNAは前者が8勝2敗、後者が8勝10敗。逆転を得意とし、計16勝12敗。しかし、梅雨入りから夏場は体調管理が難しい。若い投手の多いDeNAは夏バテが懸念され、逆転を許す展開が増えると思う。

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