(11)窓の向こうに虚構の街

「林檎、あんた出かけてんの!?」
とにかく声がおおきい。林檎の母である一之瀬和江、五十二歳だ。林檎は通話ボリュームを最小にした。
「そうそう。事件。いま署だから」
「あんた起きたらいないから、びっくりしたわよ。お腹空いて牛丼でも食べに行ったのかと思って。ハハハ…
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