千房 中井貫二社長(1)“高級お好み焼き店路線”で「コナもん」との差別化戦略に成功
大阪の「コナもん」といえば、お好み焼き。大阪を代表するお好み焼きチェーン・千房株式会社の2代目社長、中井貫二氏(49)が創業からの歴史を語る。
「私の父は、大阪の長居というところで、老夫婦がやっていたお好み焼き屋さんを継いで経営していました。しかし、その場所を退居することになり、1973年、道頓堀にほど近い難波千日前に千房1号店をオープンさせました。実は、父はお好み焼き屋さんを“恥ずかしい”“格好悪い”と思っていたようで、本当はやりたくなかった。しかし、オーナーである自分が恥ずかしかったら、従業員はもっと恥ずかしいだろう。であるならば、従業員が誇りを持って、プライドを持って働けるような格好いいお店をやろうということで、創業当時から高級感を出すことを意識していたそうです。内装は赤じゅうたんで、母は着物に割烹着で接客をしていました。千日前のその店は2階にあったため、注目を浴びるお店にしようという思いもあったようです」
1号店オープンの時から多店舗展開を考えていたという先代。すぐに店は従業員に任せて、自分は経営に回った。