長嶋茂雄さんは「広報には内緒だよ」とボクたちと同じ立場で出演を快諾してくれた
アナウンサー松下賢次氏による「世界の松下です」(第2回=2008年)を再公開
“燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球元巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、接した者に強烈な「長嶋茂雄像」を印象づけてきた。日刊ゲンダイでの連載から、その実像を再構成して緊急公開する。
前回に引き続き、今回もアナウンサー松下賢次氏による「世界の松下です」(第2回=2008年)を再公開。本文中の年齢・肩書きなどは当時のまま。
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「どーしたの? 毎日、来て?」
長嶋茂雄さん(写真)が、タオルで汗を拭きながら聞いてきました。
昭和50年。長嶋監督1年目の7月、巨人は最下位を迷走していました。そのため、恒例の前半戦を振り返るという会見はしない方向でした。
しかし、直接お願いしたらどうか。それで試合前、われわれは連日、長嶋さんがランニングする時間から球場で待ち構えていたのです。