著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(1)マイナポータルで何が分かるのか…処方箋の種類と量だけじゃない

公開日: 更新日:

 医療のデジタル化が、気づかないうちに進んでいます。たとえば政府の「医療DX」政策。「知らない」「聞いたことがない」という人が多いと思います。でも「マイナ保険証」と聞けば、よくご存じのはず。いままでの保険証で十分だと、マスコミから散々叩かれていました。

 しかしマイナ保険証を批判する人たちは、おそらくその使い方や価値を知らないのでしょう。試しに「マイナポータル」にアクセスしてみてください。2021年以降の医療費、通院記録、処方された薬の種類と量、予防接種履歴など、自分の医療記録を簡単に確認できるようになっています。

 例えば私は新型コロナのワクチンを過去に3回打ちましたが、1回目が2021年8月8日、2回目が同年の9月5日、3回目が2022年12月6日だったことが一目で分かります。また去年の3月に、近所の眼科クリニックで「網膜レーザー治療」を受けました。その医療費が、初診料や検査代なども含めて11万6810円、そのうち自己負担額が3万5043円だったことも分かりますし、そのあと隣接する薬局で3種類の目薬(もちろん種類と量も表示されます)をもらい、その支払いが807円だったことも分かる、といった具合です。

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