「日常生活自立支援事業」を活用しよう…親の不安や疑問に対応
人は60歳を過ぎると認知機能が少しずつ衰えていく。人やモノの名前が思い出せず「あれ」や「それ」を連発するくらいならともかく、判断力の低下で日常生活に支障をきたし始めると思いがけないトラブルになりかねない。
もし親がそのような状態になった(なりそうな)場合の選択肢として考えられるのは成年後見制度だが、制度の複雑さなどから利用率は低い。よほどの問題が起きない限り腰を上げるきっかけにならないようだ。
では、そこまで判断力は落ちていないが、日常生活を送るうえで少し不安のあるようなケースはどうしたらいいのか。実はどの地域にも相談窓口と対応する制度が用意されている。
それは日常生活自立支援事業と呼ばれるもので、「福祉サービスの利用や銀行での送金などの手続きに不安がある」「役所からの書類が来たけど書き方がわからない」「通帳や権利証の管理に自信がない」など、毎日の暮らしの中で感じる不安や疑問、判断に迷ったときに助言や訪問、同行をしてくれるものだ。
窓口は各市区町村に必ずある社会福祉協議会。基本的な流れは電話などで問い合わせ↓担当者との面談↓支援内容の決定↓契約を結ぶというもの。ここで重要なのは支援を受ける本人がしっかり契約を理解できることが最低条件。あくまで本人の承諾のもとで進められる。