メリットないのになぜ? カージナルス「ハッキング」真の狙い

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 今月16日、カージナルスの複数の職員がアストロズの内部データベースに不正に侵入し、トレードに関する極秘情報、選手の内部評価などを盗み出していたことが発覚。現在、FBI(米連邦捜査局)による捜査が進行中で、数人の逮捕者が出るもようだ。

■動機

 最強チームであるカージナルスがリーグの違う昨季までの最弱球団アストロズの情報を盗んでもメリットはほとんどない。それでも内部情報を盗み出し、匿名情報がよく出るサイトに掲出したのは、カージナルスのスカウト部門担当副社長からアストロズのGMに栄転したジェフ・ローナウの信用失墜を狙ったものだ。カ軍のハッカーたちはローナウがカ軍在籍中に使用していたパスワードでア軍のデータベースに苦もなく侵入していた。

■被害者

 カ軍のハッカーたちが盗み出した情報の中で、メディアが注目したのはアストロズのローナウGMと他球団のフロントとのトレードに関するリアルな交渉に関する部分だ。盗み出されたのは一昨年6月から10カ月間で、その中には昨年春、ヤンキースからの「イチロー(昨季の年俸650万ドル)に430万ドルのキャッシュを付けて放出するから引き取って欲しい」という申し入れもあった。これを受ければアストロズはイチローを220万ドル(約2億7000万円)で雇えることになるが、ローナウGMは高いと判断し、その話には乗らなかった。これによりかつてのスーパースターであるイチローは商品価値が200万ドル以下に落ちていることが知れ渡る結果になってしまった。

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