負傷退場後“監督”に C.ロナウドがポルトガル初Vの原動力

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 ポルトガルが、欧州選手権(ユーロ)決勝(日本時間11日午前4時キックオフ)でホスト国のフランスを破って初のユーロ王者に輝いたが、その原動力となったのは「クリスティアーノ・ロナウド監督」の存在だった。

 前半7分にアクシデントが起こった。フランスMFペイェがロナウドに猛アタックを仕掛け、コンタクトした瞬間にロナウドの左ヒザがグニャッと内側に曲がった。ピッチ外でテーピングを巻いて復帰したが、24分に自らピッチに座り込み、涙を流しながらタンカで医務室に運ばれていった。

 相手大黒柱不在に乗じてフランスが優位に試合を進めたが、後半34分にフランスリーグでプレーする188センチFWエデルを投入したポルトガルが盛り返していき、0─0から延長戦に入ると完全に息を吹き返した。

「治療を終えたクリスティアーノが延長前半開始前にベンチに戻り、監督のように選手を鼓舞し続けるとチームに活気が戻った」と話すのは現地取材のサッカージャーナリスト元川悦子氏である。

「ポルトガルベンチのちょうど真後ろの記者席の最上段から一部始終を見ていましたが、ベンチに戻った彼はテクニカルエリア内のサントス監督と横並び状態になり、身ぶり手ぶりで選手に指示を送り続けた。延長後半に左SBのゲレイロが負傷し、フランスベンチ付近で治療を受けている時には、その場まで行ってゲレイロに対して早くピッチに戻るように促す場面もあった。その立ち居振る舞いも選手への影響力も“指揮官も同然”だった。そもそも選手は試合中、決められたエリアでのアップ以外はベンチに座っていなければならない。テクニカルエリア内で指示を送るなんてありえないし、もちろん相手ベンチ付近で動き回るなんて前代未聞と言っていい。しかし、近くにいた予備審判は何も言わなかったし、主審からも何のおとがめもなかった。彼はゴールという形でユーロ初優勝には貢献できなかったが、圧倒的な存在感を放ちながら“指揮官として”働くことでFWエデルの延長後半4分の決勝ゴールを呼び込み、そしてユーロ初制覇を手繰り寄せる原動力となったのです」(元川氏)

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