米大統領選をも左右する民主党候補と米球界の浅からぬ関係

公開日: 更新日:

 マサチューセッツ州選出の上院議員であるウォーレンは、自陣営を取りまとめるために、カブスが108年ぶりにワールドシリーズを制覇した内幕を描いたトム・バードゥッチの著書「The Cubs Way(カブスの方法)」を参照しているとされる。「よいクラブハウスの雰囲気はチームが最大の力を発揮するための大切な要素」というバードゥッチの指摘をどこまで生かせるかが、今後のウォーレン陣営の選挙戦を左右するだろう。

 16年の大統領選挙で若者から高い支持を受けたサンダースは、バーモント州バーリントンの市長を務めていた1980年代にAA級の球団の誘致を試みているし、今年5月の集会では「大リーグ選手の年俸が数百万ドルなら、教員の給料も引き上げられなければならない」と大リーグ選手を高額所得者の代表として引き合いに出すなど、球界との因縁は浅くない。

 ジャマイカ系移民の父とインド系移民の母を持つハリスはジャイアンツを応援していることで知られる。しかし、今年8月にCNNが行った大統領候補による討論会でドジャースの帽子をかぶって登場するなど、カリフォルニア州選出の上院議員であることを印象付けることに余念がない。

 自らがLGBTであることを公表して出馬したブーテジェッジは、今年8月に「大リーグに指名打者制度は不要」と発言し、「DH制の導入に懐疑的なナ・リーグのファンの支持を得たいのでは」と臆測された。

野球文化学会会長、名城大准教授・鈴村裕輔)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった