春日良一
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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。

ラグビーW杯日本代表メンバーに見る多様性尊重の具現化

公開日: 更新日:

 ラグビーW杯は日本代表の快進撃のおかげで空前の盛り上がりを見せている。大会直前までの静けさを心配していた私を嘲笑うかのようだ。しかし、冷静に日本代表メンバーを見てみると31人中15人が海外出身で、そのうち7人は外国籍の選手である。それでも日本代表として日本のために戦うチームを、日本人は一丸となって必死に応援する。このラグビーの行き方に「スポーツで世界平和を構築する」というオリンピズムのヒントが包含されていると感じた。

 ラグビーの思考を敷衍すれば、自らが代表したい国を選び、自らが愛するスポーツを通じて、その国のために戦うという状態が生まれる。代表になりたいチームを自分の国籍にかかわらず自分が選び、そのチームの理念のために戦う状態が実現できれば、その時点で既に国境を超えた個人と個人のつながりが生まれる。

卓球のピンポン外交も

 実はこのような主義はラグビーだけのものではなく、例えば卓球も古くからそうである。1926年の国際卓球連盟(ITTF)創立以来、加盟は国単位ではなく、協会単位としている。一人一人の選手が集まってつくった協会が、ある地域の卓球活動を統括していれば、その地域が国境を超えてもいいし、国を分けてもいいことになっている。

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