FA美馬獲りならず 巨人のカネも負けたロッテのコネと安定
「コネに負けた」
そうつぶやいたのは、巨人の球団関係者だ。
楽天からFA宣言した美馬学(33)のロッテ入りが正式決定。獲得を発表したロッテの松本球団本部長は「精神的にタフな投手。ここ一番の投球は素晴らしい」と喜んだが、争奪戦を繰り広げた巨人の方が条件は上だったという。
ロッテが3年総額3億9000万円程度とみられる条件を提示したのに対し、本人と5度も会った巨人のそれは3年総額5億円とメディアに報じられ、4度目の交渉には原監督も出馬した。
美馬はロッテの井口監督と同じマネジメント会社に所属。熱烈な井口信奉者だったということもあり、「当初から苦戦は覚悟の上だった。結局、2人の結びつきの強さをひっくり返せなかった」とは冒頭の巨人関係者だが、敗因は「コネ」だけではないようだ。
「美馬は移籍先を選ぶにあたって、将来のことも判断材料にした。金銭面でリードしていたのは巨人で、引退後のことを考えても『元巨人』の看板はなんだかんだで大きい、とアドバイスする人もいたそうです。でも、現実には後悔なく現役を全うした選手は多くないし、引退後も巨人に残ってコーチなどの職にありつける選手も一握り。むしろ、大金を積まれてかかるプレッシャーとその反動は、人気球団ゆえにロッテよりははるかに大きい。毎年のように補強を繰り返す巨人では、ちょっとでもつまずこうものなら、すぐに新戦力に取って代わられる。ロッテは引退後のことも含めてフォローしたといわれています」(球界関係者)
カネと名前が武器にならなければ、巨人はきつい。