著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ジョコビッチ陽性の衝撃 東京五輪可否を都知事選の争点に

公開日: 更新日:

 テニスは密集競技ではない。ただ、チャリティーだったアドリアツアーは観客を入れ、すし詰めノーマスクの大盛況。選手も夜の街の打ち上げでは歌え踊れの大はしゃぎ……刺激に飢えていたのだろうが、誰もが日本人のように“民度が高い”わけではなく、こうした解放感や一体感がスポーツの醍醐味でもある。

 全米開催の最終決断を下したのはクオモ州知事だった。地元の意思はそれほど重要なカギを握るのに、オリンピック開催地である東京都知事選で五輪問題に明確な見解を表明しているのは〈中止〉を叫ぶ山本太郎氏だけ。再延長とか専門家に聞くとか、どれも論点をぼかしている。

■テニス全米OPの無観客に莫大な放映権料の後ろ盾

 小池知事は「簡素化」と言うが、IOCがほのめかしている簡素化は無観客で、そうでなくとも、当初期待した数百万の客をおもてなしできないことは目に見えている。

 全米の無観客は、地元ESPNの放映権料8000万ドル(賞金は総額5300万ドル)という後ろ盾があるから。オリンピックの放映権は東京ではなくIOCが持っているから、東京はさらに莫大な赤字を抱え込む覚悟がいる。小池知事が「それでもやります」と言わないのは都民を欺くに等しいだろう。スポーツの門出にそこまでの犠牲を払うのか。財務大臣も「呪われたオリンピック」と言うだけでは済まないはずだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"