著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

黒川氏賭博事件で思う…記者は麻雀しながらネタ拾わない

公開日: 更新日:

 どうにも腑に落ちないことがある。黒川前検事長と新聞記者による賭け麻雀問題だ。

 スポーツ紙の記者をしていた昔、日本体育協会の記者クラブには麻雀卓があって、いつもジャラジャラと賑やかだった。相撲記者クラブにもあって、広報担当の親方が(早く誰か来ないかなという表情で)いつも座っていたものだ。私は好きなだけで下手だったから入れてもらえなかったが、野球記者たちはスカウトとよく卓を囲んでいた。

 今回もそうだが、新聞記者が麻雀をやりながらネタを拾うなんてことはない。彼らはけっこうヒマで、ただ麻雀が好きなのだ。金を賭けるのは緊張感を演出するため……今回のような新聞記者の麻雀は犯罪とは言えず、前検事長が時と場合を考えなかった点が間違い、私はそう思っている。

 麻雀好きは多い。元日本陸連会長の青木半治氏は海外出張にパイを持参するほどのマニアで、こんな話を聞いた。

 前回の東京オリンピックの報道合戦で、聖火の最終ランナーは誰かということが大きな話題だった。新聞記者たちは専務理事だった青木さんの自宅に詰めた。連夜の麻雀である。広島出身で早大1年生の坂井義則という特ダネを物にしたのは朝日新聞だった。広島の実家から連れ出し、国立競技場の聖火台に立たせた仰天のスクープだった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波