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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

救済基金に異議 錦織や大坂にはない全豪準V選手のプロ意識

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの勢いもようやく衰えを見せ始めた。しかし、終息の流れはつかめぬままで全面停止のスポーツ界は戸惑いを隠せない。テニスの復興が最も遅れるだろう……英国のエース、アンディ・マリーはそう案じている。

 テニスは国際航空路線の発達をテコに、ロジャー・フェデラーというカリスマの出現を最大限に生かして巨大マーケットを築いてきた。

 昨年の男子ツアーは史上最高の観客動員480万人を突破し、女子ツアーの賞金は総額1億3900万ドル超(約150億円=2018年実績)と男子を上回っている。

 毎週のように世界各都市を転戦するだけでコロナの餌食だが、テニスは客席とコートを極力近づけ、観客との濃密な関係を売りにしてきた。モニカ・セレシュ刺傷事件(1993年)の後も変わらない究極の“3密”舞台――確かに復元までにはかなり険しい道のりになる。

 ツアー繁栄の最大のツケは過剰な人材だ。ポイントを持つ男子だけで1978人、女子1340人……これら大勢がグランドスラムを頂点としたツアーのピラミッド構造を支えている。いくら何でも多過ぎると、男女各750人をメドに、昨年から構造改革に取り組んでいる。

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