著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

貴景勝綱とりから急転直下 人生山あり谷ありと言うけどさ

公開日: 更新日:

 大関貴景勝の部屋の親方は今、弟子にどんな言葉を掛けてやれるだろうか?

「おまえはまだ若いから分からんだろうが、人生山あり谷あり」

 そんなねえ、ジイサマが縁側の日だまりで孫に人生訓を垂れてる場合じゃないと思うぞ。いくらなんでも山と谷の周期が短すぎるだろ。

 つい10日ほど前は「綱とり」と言われてたんだ。来場所前には一門総出で紅白の鉢巻きした若いもんが「綱打ち」するはずだったろ。一門の元横綱が横綱土俵入りを手取り足取り指導してくれるはずだったろ。それが19日に休場が決まり、いきなり「カド番」だ。

「人生はジェットコースターだ。いっそ楽しめ」

 それもねえ、ジイサマが孫を遊園地に連れてってるんじゃねえんだから、本人に今、相撲を楽しむだけの余裕があったら別だが、ぶちかまして前へ出るだけの一発相撲じゃ、楽しむ余裕なんてなかろうよ。

 今はへこんでても、せめて、本人が頑張れるような言葉を掛けてやれないもんか。

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