松崎菊也戯作者
５３年３月９日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、８８年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。９８、９９年にはＴＢＳラジオ「松崎菊也のいかがなものか！」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。
貴景勝綱とりから急転直下 人生山あり谷ありと言うけどさ
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「今徳俵に足が掛かってるンダ。踏ん張れ！ ナニ？ もう出てます？……そうか」
ナニ納得してんだよ。そうじゃないだろ。もう少し本人のためになるような言葉を掛けてやれないもんか。
「人生七転び八起きと言うだろ。ただまあ、おまえが転んだのは７回どころじゃないからな」
だから、そういうこと言ってやるなよ。もう少し分かりやすく、
「何回転んでもいい、立ち上がればいいんだ。ただ相撲は転んでから立ち上がっても負けは負けだしな」
だ～から、そこまで言うんじゃないよ。
「いいか、転んでもただは起きぬ。ただまあ、相撲で転んだら懸賞金まるまる向こうが持ってくけどな」
だ～～から、そういうこと言うんじゃないってば！ 相撲はカネじゃないだろ。
カネです？ そりゃそうだけれども、今の貴景勝はなんだか上半身ばかり雑煮の餅みたいに膨らんじゃって、あれじゃ、転ぶなと言うほうがおかしいぐらいだ。
