コロナ禍で一部助っ人のみが来日できる裏側…球団なぜ差が

公開日: 更新日:

 コロナ禍による助っ人の来日可否の問題が球界で波紋を呼んでいる。

 先日の12球団監督会議。楽天の石井監督兼GMは政府が外国人の新規入国を停止したことで、助っ人のチーム合流が球団によって差異が出ることに関し、「フェアな条件ではないと感じる」とガイドラインの作成を求めた。

 さらに「もともといる外国人選手をキープした方がいいという状況は、12月時点では分からない」と言及。新助っ人のキャンプ不参加はやむなしとしても、複数年契約や契約延長により、昨年以前から球団に所属している助っ人の来日も、球団間でバラつきが出ている現状を指摘した。

 実際、中日のビシエド、阪神のチェン、巨人のウィーラーら、すでに来日している助っ人がいる一方で、西武やDeNAは全ての助っ人の来日が未定になっているという。広島のフランスアなど母国でコロナ感染した選手の来日遅れは別問題として、なぜこうした「差」が生じるのか。

 あるパ球団の編成担当は、そのワケをこう明かす。

「今は、昨年取得したビザが有効でも、事前に入国管理局に再入国許可申請(みなし再入国許可も含む)をしていないと、再入国ができない状況です。再契約が越年するなど遅くなった場合は致し方ありませんが、球団によっては渉外担当者が不測の事態に備え、複数年契約を結んだり、オフの早い段階で契約更新を済ませた選手に関して、昨年の帰国前に再入国許可申請を提出し、日本出国時に入管に提出する再入国出国記録に『みなし再入国許可』を希望するよう指示。念を入れてビザを再取得させた球団もある。備えあれば憂いなしで、これが奏功しているケースもあります」

 つまり、再来日に向けた備えの有無が「差」として表れているということになる。一概に「不公平」とは言い切れないというのだ。

「球団ごとに準備の度合いに差がある以上、ルールやガイドラインの作成は、12球団の賛同を得られないでしょう」とは、前出の編成担当だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み