ダルのパドレス移籍は正解 サイヤング賞と世界一に現実味

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 パドレス・ダルビッシュ有(34)が7日(日本時間8日)、ロイヤルズとのオープン戦に初登板。2回を1安打無失点、4奪三振だった。

 ダルは初回、2者連続三振に仕留めた後、3番モンデシーに右前打を許したが、2019年のア・リーグ本塁打王(48本)ソレーアを見逃し三振。二回は、この日最速の96マイル(約155キロ)のストレートでマクブルームのバットに空を切らすなど、三者凡退で予定の2イニングでマウンドを降りた。

 降板後のダルは「試合に投げられたことがホッとしている。きょうは特に去年同様、球に伸びがあった」と振り返った。キャンプ中、球団アドバイザーを務める野茂英雄氏から伝授されたスプリットについては「試合の中で、いい球もあったし、少しずつ上達しているのかと思う」と手応えを口にした。

■湿気を含む海風の影響

 ダルにとってパドレスへの移籍はプラスに作用しそうだ。

 カブスで専属捕手だったカラティーニ(27)とともに大型トレードでパドレス入り。新天地でも息の合った捕手とバッテリーを組めるうえ、先月15日には自身のツイッターでこうつぶやいた。

「今日は久しぶりにカラティーニにブルペンで受けてもらいました」「あの全く褒めてくれないカラティーニが大野投手ツーシーム、伊藤智仁さんスライダーを褒めてくれました笑 打者相手に投げるのが楽しみ」

 パドレスはこの新しいタイプのツーシームとスライダーを生かせる環境にある。

「大きいのは本拠地球場です。ペトコパークはカブスのリグレーフィールドと比べて、ピッチャー有利の球場。右中間が深いうえ、湿気を含んだ海風の影響で打球が飛びにくいのです」とは現地特派員。

 実際、ダルはこれまでペトコパークで3試合に登板して2勝1敗、防御率3.71。カブスの本拠地リグレーフィールド(28試合で7勝11敗、防御率4.15)より成績がいい。

「ダルにとって、サンディエゴは圧倒的に暮らしやすいと思いますね」と、前出の特派員がこう続ける。

「カブスはとにかく、メディアやファンがやかましい。同じシカゴを本拠地にするホワイトソックスはそれほどではないのに、カブスは結果が出ないとたたかれる。ダルも移籍1年目、右肘を痛めて8試合しか投げられなかったときも、地元メディアにこっぴどくやられましたからね。そこへいくと、サンディエゴはシカゴと比べて気候が温暖なうえ、メディアやファンも好意的。エースとして迎えられても、さほどプレッシャーにはならないでしょう。今季も含めた残り3年間の平均年俸は20億円強。昨年、ダルとサイ・ヤング賞を争ったバウアー(30)が年平均36億円近い金額でドジャース入りしたように、このクラスの投手をFAで取るには年30億円規模のカネが必要になる。ダルはトレードによる割安な買い物ともいえるだけに、バウアーほどの重圧はありません」

エース2人を補強

 打線の援護も期待できる。

 昨季のパドレスのチーム総得点325はドジャース、ブレーブスに次いでリーグ3位。55盗塁は1位だ。一昨年まで5年連続30本塁打をマークしたマチャド(28)や、先月23日に14年総額357億円のメジャー史上最長契約を結んだタティス・ジュニア(22)らのスラッガーがいるだけに勝ち星も増えるのではないか。

 ダルは過去に2回、サイ・ヤング賞投票で2位に入っている(昨年と13年)。環境が整った今季は自身初のサイ・ヤング賞に加えて、ワールドシリーズ制覇も視野に入ってくる。

 パドレスは昨季、ワールドシリーズを制したドジャースに次ぐナ・リーグ西地区2位。プレーオフ地区シリーズでは、そのドジャースに3タテを食らった。

 今季はドジャースとの差を埋めるべく他球団のエース2人をトレードで獲得した。ひとりはダル。もうひとりはレイズのエースで18年のサイ・ヤング賞左腕スネル(28)だ。MLB公式ホームページは今季の先発ローテーションを格付け、パドレスはドジャースに次いで2位に入った。チームは本気で世界一を狙っているし、実際、その可能性もある――。

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