著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

MLBではファンが順守すべきルールを明文化 人種差別と色仕掛けは「永久追放」に

公開日: 更新日:

 メジャーリーグではファンが順守すべきルール(ファン・コード)を明文化しており、球場で著しい違法行為があれば、永久追放処分を受けるケースが少なくない。

 よくあるのは、①フェンスを飛び越えてグラウンドに侵入②他の観客とのつかみ合いのケンカ③フェンス越しに手を伸ばし選手の体やグラブを押して捕球を妨害④客席から守備に就いている選手に物を投げつける――などの行為をした場合だ。

 今年7月18日のヤンキース対レッドソックス戦では、レフト席にいたヤ軍ファンの男がレ軍の左翼手バードゥーゴにボール(硬球)を投げつけ、それが背中に当たったため永久追放処分を食らった。

 MLBは最近、人種差別に敏感になっているため、それに関連した罪状で永久追放になるケースも出始めている。今年5月にはヤンキースタジアムのフェンスに「大統領選はトランプが勝っていた」と書かれた大きなバナーを張りつけた白人至上主義の男が拘束されこの処分を受けた。

知名度アップ狙うモデルが球場でセクシーポーズ

 女性ファンが処分を科されるケースもある。一昨年10月のワールドシリーズ第5戦では、マウンドで圧巻のピッチングを見せていたゲリット・コール(当時アストロズ)を撹乱するため、ネット裏2列目の席に陣取っていた2人の美女が立ち上がってコールに向かってオッパイを露出、ブルブル揺らして彼の視線を引き付けようとした。しかし、集中力の高いコールはそれを完全無視。試みは失敗に終わり、2人の美女は駆けつけた警備要員に球場内の保安室に連行され、強制退去を申し渡された。

 この2人はジュリア・ローズとローレン・サマーというインスタグラムを中心に活動しているセクシー系モデルで、自分たちの知名度アップの狙いもあって、テレビカメラに映る席で大胆な行動に出たようだ。艶めかしいポーズの写真で埋め尽くされたローレン・サマー嬢のホームページには、MLBから送られてきた永久追放を宣告する手紙も掲載されており「ワールドシリーズ第5戦の七回裏に、モデルとしての注目度を高める目的で露出行為を行ったことはファン・コードに違反します。今後はメジャーリーグの全球場から永久追放にいたします」と書かれている。

 美女による同様のケースは17年5月にも起きている。マーリンズ対カージナル戦での出来事で、ネット裏最前列の席に陣取っていたマーリンズファンのブロンド美人が、マウンドで投げているカ軍のブレット・セシルに向けて巨乳を露出させ挑発した。この時はセシルの視線がそちらの方に行ってしまい、急にストライクが入らなくなった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  5. 10

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ