著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

「9.11」から20年…米国同時多発テロが米国と米球界に与えた影響

公開日: 更新日:

 世界を震撼させた米国同時多発テロ、すなわち「9.11」の発生から20年が経った。

「唯一の超大国」の米国にとって、1941年の真珠湾攻撃以降では初となる本土への攻撃は痛恨事となった。それだけでなく、世界の政治、経済、文化の中心地のひとつであるニューヨークの中でもひときわ目立つ世界貿易センタービルが倒壊したことが、とりわけ米国の人々に与えた影響は大きかった。

 2004年から13年まで放送された人気テレビドラマ「CSI:ニューヨーク」の主人公マック・テイラー(ゲイリー・シニーズ)は「9.11」で妻を失ったという設定である。また、昨年4月に8シーズン目で終了した「ホームランド」では、物語の初期の準主役であったニコラス・ブロディ(ダミアン・ルイス)はアフガニスタンで8年間戦争捕虜だった海兵隊員として描かれる。あるいは、医療ドラマの最高峰として日本でも広く親しまれた「ER」の主要登場人物であったマイケル・ガラント(シャリフ・アトキンス)は、シカゴのカウンティ総合病院を離れて陸軍の軍医としてイラクに赴き、現地で戦死する。

 こうした設定は、作品や登場人物への視聴者の関心を集めることだけを目的として用いられるのではない。むしろ、「テロとの戦い」や「イラク戦争」「アフガン戦争」が米国の人々にとって身近な出来事であるため、これらの話題を織り込むことで作品の真実味をより増す効果を持っている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  4. 4

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"

  5. 5

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  1. 6

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  2. 7

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  5. 10

    永野芽郁&田中圭の不倫スキャンダルをスルーするテレビ局の身勝手…ジャニーズの時の反省は?