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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・矢野監督の退任表明と今シーズンの戦々恐々

公開日: 更新日:

 阪神矢野燿大監督が春季キャンプ開幕を控えた1月31日の全体ミーティングの席で、今季限りで退任する決意を選手たちに伝えたという。その後の記者会見で矢野監督自らが打ち明けた。

 もちろん、これには驚いた。矢野監督にしてみれば、退路を断つことで覚悟を決めて、今季の戦いに挑むということだろう。また、矢野監督はもともと契約最終年であった昨季限りで辞めるつもりだったというが、昨季はあまりに惜しく優勝を逃したため、本人の中で今季はエクストララウンドという位置付けなのかもしれない。いずれにせよ、プロ野球の新年開始と同時に監督が公の場で退任を表明するというのは異例中の異例である。

 もし今季の阪神が開幕から好調を維持し、昨季のように優勝争いを演じたら(また、本当に優勝したら)、この矢野監督の発言は、よりドラマチックに作用するだろう。矢野監督に有終の美を飾ってもらうため、選手たちが必死になっているという美談的な見え方が生まれるため、マスコミもそれを演出的に報じやすくなる。かつて日本ハム時代の新庄剛志が開幕早々にその年限りでの引退を表明したとき、以降の試合がすべて新庄の引退カウントダウンとなって盛り上がったように(あのときは日本ハムが優勝したから余計に盛り上がった)、矢野監督の勇退カウントダウンも関西中を席巻するかもしれない。

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