著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

現役時代は大ファンだった阪神・藤井康雄の一、二軍巡回打撃コーチ就任に大興奮

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 体はそこまで大きいわけではなく、打撃フォームも一見やわらかい感じで、バットを軽く振っているように見える。だけど、藤井のホームランは高く美しい放物線を描いて、スタンドに吸い込まれる。これがなんとも魅力的で、藤井のホームランはそれだけで見せ物としての価値があった。

 また、打率3割を超えたことは一度もないものの(だから安定感はなかったものの)、安打に対するホームラン率が高いところも魅力的だった。96年は故障などで規定打席に到達せず、年間85安打に終わったのだが、本塁打は20本。98年も打率.250で年間100安打だったにもかかわらず、本塁打は30本。極めつきは引退する前年の01年(当時39歳)。この年の藤井は代打起用も多くなり、打率.196でわずか37安打と、いかにも晩年といった数字だったのだが、そのうち本塁打はなんと15本。安打の半分近くが本塁打という、偉業を成し遂げた。

 他にも通算満塁本塁打14本は中村剛也王貞治に次ぐ歴代3位であるなど、とにかく藤井は通算成績以上に記憶に残る魅力的なホームランバッターだった。彼が縦縞のユニホームを着て大山や佐藤輝を指導するなんて、私としては今季一番のトピックだ。

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