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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

移り変わる阪神エースの座…“勝ち運”ゼロの西勇輝から青柳晃洋の時代に

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 さらに、それだけならまだしも、4月19日に西勇が先発した試合はもっと残念だった。相手は4月5日に西勇が今季初勝利を見事な完封で飾ったときと同じDeNA、相手先発もそのときと同じロメロ。あの試合、今季の阪神では珍しく初回から3点を奪い、二回には主砲・佐藤輝明の第5号ホームランも飛び出すなど二回までに4点の援護点をもらった。ここまでは先述の完封試合と酷似した展開。あのときも佐藤の第1号ホームランが飛び出すなど二回までに4点を奪い、その後は西勇が完封したわけだから、虎党の多くはその再現を想起したことだろう。

 ところが、実際は再現とはならなかった。19日のDeNA戦では4点の援護をもらいながら、西勇はまさかの乱調で、五回途中5失点で逆転されてしまった。もちろん、どんな一流投手でもたまには打たれることがあるわけだから、あの試合で乱れた西勇を責めることはできないが、それにしても本当に打線と噛み合わない。勝ち運がない。あそこで打たれてしまうところが、西勇のすべてを語っているように思えた。

 一方、虎の新エースの風格を漂わせてきた青柳晃洋は、今季初登板となった4月15日の巨人戦で相手エース・菅野智之と投げ合いながら、その菅野から放った佐藤のホームランによるリードを守り切って、チームを勝利に導いた。続く22日の先発でも、もう一人の主砲・大山悠輔に一発が飛び出すと、きっちり完封勝利を成し遂げた。

 今の阪神はエース・西勇と呼ばれた時代から、エース・青柳の新しい時代へ移り変わろうとしている。青柳には勝てるエースになってほしい。

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