これからの10年、サッカーの最前線で指導者として全力で働きたい

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 今季タイリーグ1部は8月12日に開幕。先駆けて8月6日、石井監督率いるブリーラムユナイテッドは、昨季リーグ2位のBGパトゥムユナイテッドと「チャンピオンカップ」を戦う。BGは2016年リオ五輪に出場した手倉森誠監督が指揮を執る。住友金属蹴球部、J鹿島で共に戦った日本人指導者同士の真剣勝負とあって、現地タイでも大きな注目を集めている。

■6日に手倉森監督率いるBGと真剣勝負

「毎朝6時前には起床して朝食をとり、部屋の掃除と洗濯を済ませてから映像編集や当日のトレーニングメニューを考えて過ごします。午後3時からスタッフとミーティング。基本的には、午後5時から約1時間ほどトレーニングを行います。終了後は、ドローンで撮影した映像をPCにダウンロード。自宅に持ち帰ってチェックと編集作業を行います。チームには昨季まで所属していたブラジル国籍の選手に代わってセルビア、ギニア、コロンビア国籍の選手が新たに加わりました。個性豊かな外国籍選手とタイ人選手との組織的な戦いを見ていただきたいと思います」

 食生活に関しては「夜は、必ずソムタム(パパイヤのサラダ)を食べています。タイには美味しい料理が多く、何と言っても日本では馴染みの薄いフルーツが安価に食べられます。私にとっては、かなり贅沢な食生活を送っている感じです」と石井監督は笑顔を見せる。

■コロナ禍にリモートによるトレーニングを導入

「タイ国内のコロナへの対応は素早く、しかも徹底していました。店という店が早い段階で営業停止となり、諸施設の多くが封鎖になりました。スーパーでの買い物も控え、近くのセブンイレブンに出掛けるくらい。日本で生活している家族も心配でしたが、本当に辛い日々でした。もちろんチームの選手たちも大変でした。体を動かさないわけにもいかず、かといって目標もないのに頑張らせるわけにもいかない。そこで以前から興味を持っていた<リモートによるトレーニング>をフィジカルコーチと相談しながらメニューを作って始めました」

「ドイツ1部のバイエルン・ミュンヘンがいち早く始めていたので参考にしました。タイでは一番早い取り組みでした。結局2020年は一度も帰国できず、ようやく2021年の5月でしたね、非常事態宣言が解かれた時期に久しぶりに帰国しました。5週間の帰省でしたが、最初の2週間は自宅隔離だったので部屋でおとなしくしていました。今回のオフは3週間。ちょっと短くて残念でした。今シーズンは8月12日に開幕し、前期日程が終わる12月末に帰国しようと思っています。必ず前期を制し、胸を張って鹿嶋市に戻りたいですね」

■実家は千葉・市原市で料理屋を営む

 プライベートの話になるが、石井監督の実家は千葉・市原市内で「こけし」という料理屋を営んでいる。

「JR内房線の八幡宿という駅から歩いて5分くらいの小料理屋です。3歳上の姉が生まれた時に始めたので(開店して)60年近くになります。カウンターに地元の常連さんが並び、奥のお座敷はご新規さん。お客さんには、子供のころから可愛がっていただきました。店の中で年長者との付き合い方、言葉遣いなどを学びました。長男だったので店を継ぐと思い、包丁を持って大根のかつら剥きの練習をしたりしていました。料理作りは好きですね。レシピさえあれば、大概のものは手際よく作れると思います」

 鹿島の監督時代、絶対的な指揮官というイメージはなく、話の分かる「良い兄貴分」というスタンスだった。それはタイでも変わらない。

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