歓喜の韓国・孫興民、号泣のウルグアイ・スアレス…W杯1次リーグH組最終戦で残酷な明暗

公開日: 更新日:

 H組の最終戦で歓喜と悲嘆が交錯した。

 負ければグループリーグ(GL)敗退が決まる韓国は、クリロナ擁する優勝候補ポルトガルと対戦。0-1の前半27分にCKからのこぼれ球をDF金英権(キム・ヨングォン)が押し込み同点に追いついたものの、追加点を挙げられないまま後半45分が経過した。

 広がる絶望。目を真っ赤にして頭を抱えたスタンドの韓国サポーターはしかし、奇跡を目の当たりにする。ロスタイムに入った直後、自陣CKからのカウンターで英プレミア・リーグ得点王のFW孫興民(ソン・フンミン)が敵陣エリア前まで独走。3人に囲まれながら送ったラストパスをMF黄喜燦(ファン・ヒチャン)が右足で流し込んだのだ。

 日本に続けとばかりの大金星。が、孫興民ら韓国イレブンは喜びもそこそこに、固唾をのんで別会場の戦況を見守った。

 同時刻にガーナと戦っていたウルグアイが3点差で勝てば、GL突破が阻まれる。進行の遅かったウルグアイ戦は、韓国勝利の時点で残り10分。試合は、MFアラスカエタの2ゴールでウルグアイが2-0とリードしていた。4大会連続の決勝トーナメント(T)進出を決めるあと1点を求めて、ガーナを攻め立てるウルグアイ。しかし、相手の必死のディフェンスにはじき返され、ゴールが遠い。スタジアムの電光掲示板で韓国が逆転したことが伝えられると敗退を覚悟したのか、後半21分に交代していたFWスアレスは試合中のベンチで顔を覆って号泣。今大会を最後に代表を引退するレジェンドはこの日2アシストと最後の意地を見せたものの、その数分後に試合終了を告げるホイッスルを聞いた。

 今大会初勝利がGL突破につながらず、ピッチに倒れこむウルグアイ選手。その瞬間、韓国戦の会場ではイレブンが再び喜びを爆発させた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗