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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

混沌とする米国の大型ストライキの行方…“世界最強”MLB選手会の交渉力を左右しかねない

公開日: 更新日:

 7月14日に始まった全米脚本家組合(WGA)と全米俳優組合(SAG-AFTRA)による63年ぶりの同時ストライキは2カ月がたった現在も進展がなく、2007年から08年にかけて3カ月に及んだWGAのストライキを超える可能性が高まっている。

 一方、自動車業界も全米自動車労働組合(UAW)がGM、フォード、そしてクライスラーのブランドを傘下にもつ欧州のステランティスの3社との労使交渉が決裂してストライキが始まったものの、対立は先鋭化しても歩み寄りの姿勢はみられない。

 WGAとSAG-AFTRAによるストライキは、映画やテレビの脚本を作成する際にAIを関与させないように要求するとともに、作品がストリーミング配信される際の脚本家への報酬の支払いの有無や金額の多寡が問題となっている。

 UAWのストライキの場合は、組合側が4年間で40%の賃上げを求めるものの、経営者側の回答が要求額を下回っているため、交渉が妥結しなかった。

 何より、大統領のバイデンが経営者側に対して「労働者と利益を分かち合うことを期待する」とUAWに肩入れするかのような発言をしているにもかかわらず、状況が好転しないことから、経営者側の姿勢の強硬さがうかがえる。

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