制球とスピード、相容れない2つを両立させて球界の常識を覆した思考回路

公開日: 更新日:

 投手にとって、球速と制球は相いれない関係にあるといわれる。力いっぱい速い球を投げようと思えば力むし、フォームは乱れる。フォームに狂いが生じれば、制球も乱れるのが道理だ。けれども、大谷はそうは考えない。かつて球速とコントロールのどちらを優先するかという本紙の質問に、本人はこう答えている。

「僕は表裏一体だと思うんです。正しいフィジカルで、正しい投げ方をすれば、球速も上がるし、コントロールも良くなるし、スタミナ面でもプラスだと」

 その言葉通り、球速と制球を両立させたわけだから、ある意味、球界の常識を覆したことになる。

 新たな球種のツーシームを手の内に入れた22年8月以降は、まさに敵なしといったあんばい。8月の防御率は2.20、9月は1.18。ストレート、フォーク、カーブ、スライダーと4種類だった球種に、シュートしながら落ちるツーシームが加わって投球の引き出しは増えた。ツーシームは最速162キロ、縦に横に大きく変化する。

 46本塁打でタイトルを争った21年はア・リーグMVP。投げて15勝(9敗)、打って34本塁打の22年はメジャーで初めて投打とも規定に到達。投打ともメジャーでトップクラスの成績を残す唯一無二の存在になった。(つづく)

  ◇  ◇  ◇

 昨季の大谷は打者として「高め速球を克服」、投手では「魔球を習得」し、MLB界を席巻した。

●関連記事【続きを読む】…では、大谷が際限なく進化し続けられるワケについて詳しく報じている。

【連載】大谷翔平「二刀流の血脈」父の教えと投打のスケールアップ編

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐野勇斗は書道六段で英語も堪能 愛知県立岡崎西高校から明治学院大英文学科へ

  2. 2

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  3. 3

    巨人・橋上秀樹監督代行とは何者か…原辰徳氏には干され、阿部監督が心酔した“野村ID野球”の継承者

  4. 4

    嵐活動終了で松本潤との「結婚待望論」再燃も…キッパリ否定の井上真央が送る“幸せシングルライフ”と結婚観

  5. 5

    6月7日に「笑点が重大発表」座布団運び山田隆夫は本当に勇退するのか? 「くん」が「さん」に変わった哀愁

  1. 6

    巨人橋上監督代行が坂本勇人に肩入れする事情…出場メンバーとオーダーに“唯一”口を出した

  2. 7

    見上愛は桐朋女子中高から日芸演劇学科に進んで演出家を志す 大学同級生・河合優実との本当の関係

  3. 8

    「中傷動画」疑惑で高市首相またブチ切れ答弁連発し逃げ切り画策も…露呈した重大な“落とし穴”

  4. 9

    大谷翔平が負傷して出血…ドジャース指揮官は軽症強調もサイ・ヤング賞に悪影響を及ぼす懸念

  5. 10

    「笑点」新メンバー春風亭一之輔に“新司会就任”密約説…注目は木久扇、好楽、小遊三の進退