協会の強硬姿勢が招いた「15大会消滅」の危機…杜撰なツアー改革構想が女子プロの職場を奪う

公開日: 更新日:
昨年で終了した楽天スーパーレディス(2023年同大会優勝の桜井心那)/(C)共同通信社

 トーナメントの主催者(スポンサー企業)に特別協賛会社になってもらい、日本女子プロゴルフ協会(小林浩美会長)がツアーの全権を握ったうえで、1大会の冠料3億5000万円を手に入れる──。2025年シーズンからスタートさせる予定だったその計画は、2年先送りとなり、27年シーズンからのスタートを目指すことになった。

 今年1月には協会に支払う公認料を来年から600万円アップの「1300万円にする」と各主催者に通達もあった。

 華やかな試合が繰り広げられるツアーの裏で重大な事案が進行しているが、協会から詳細なアナウンスは一切なく、主催者の不信感は募るばかりだ。ゴルフファンやメディアばかりでなく当事者である女子プロにも一切知らされていない。

 そして4月末に協会主催試合を除く、ほぼ半数の15大会の主催者が「公認料値上げの明確な理由を示せ」としながら、「主催権返上は受け入れない」との抗議文書を協会に送る事態となり、両者の対立が水面下でより激化している。

「(特別協賛会社に移行する)2年延期の理由を主催者が求めても協会が一切答えないことは問題です。その理由、課題が分かれば主催者サイドも落としどころを考える姿勢はあるのですが、何の説明もなければ協会との距離は縮まらない。主催権返上についても、これまで社内に持ち帰って報告してきた経営トップに対してはしごを外す形になり、問題は積みあがるばかり、と感じております」(主催者)

■GMOと楽天が大会から撤退

 各主催者の協会への猜疑心は今に始まったわけではない。放映権問題では、協会と対立した大会が撤退した。21年「GMOインターネット・レディース」だ。インターネット中継は有料しか認めないという協会の強硬姿勢に主催者があきれたからだ。協会のやり方と違う大会主催者には「やめてもらって結構」とばかりに排除の論理が鮮明になり、この時から「協会とは歩み寄って話し合いができない」(大手広告代理店関係者)というイメージが広まった。

 特別協賛会社移行にも不安を感じている。

 協会が主催する看板大会で 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り532文字/全文1,425文字)

メルマガ会員
0円/月(税込)
今なら無料で日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事と競馬記事をそれぞれ3本試し読みできます!
オススメ!
プレミアム
2200円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事読み放題。最新の紙面をビューアーで閲覧可。競馬出走表も予想も全部読める。会員限定オンライン講座見放題。会員限定のプレゼントも。
スタンダード
780円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事が月50本まで読める。
新聞郵送セット割
3550円/月(税込)
プレミアムプランのサービスに加えて新聞も郵送で後日お手元へ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か