やり投げ金メダル北口榛花 日大時代の監督に聞いた「寝転がってカステラをパクリ」に見た強さ

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日大時代の監督で現地でテレビ解説をしていた小山裕三氏(佐野日大短大学長)

 パリ五輪で獲得した日本のメダルは金20、銀12、銅13。中でも感動を呼んだのは女子やり投げの北口榛花(26)の一投だろう。マラソンを除く陸上競技で日本女子初となる金メダルの快挙を成し遂げた。北口といえば、昨年の2度の日本記録更新、2022年世界選手権銅メダル、23年同大会金メダルを手にしたときも最終6投目の大逆転だった。今回も「6投目のドラマ」が期待されたが、1投目に65メートル80の今季自己ベストを投げて勝負を決めた。北口の日大時代の監督で現地でテレビ解説をしていた小山裕三氏(佐野日大短大学長)に、今回の勝因と北口の強さについて聞いた。

■6投目が1投目に

 ──北口選手は「6投目の大逆転」が代名詞になっていましたが、今回は1投目の記録で勝ちました。

「競技場は風が舞っていて、完全な追い風や向かい風ではなかった。追い風が得意の北口にとってはプラスではないが、向かい風で記録を伸ばすライバルにとってはもっと不利だった。風がなくても1投目に北口が65メートルを超えたのでライバルたちには大きなプレッシャーになりましたね」

 ──今回は6投とも後尾がオレンジ色のやりを使い続けました。

「世界選手権や五輪には、自分のやりを持ち込むことはできません。会場にあるものを選んで使います。やりは後尾の色で、向かい風用、追い風用、硬さが違う60メートル級、65メートル級、70メートル級と区別されている。追い風用はやりの先端が太く、向かい風用は細くなっている。今回、北口は追い風用の70メートル級、もしかしたら75メートル級を使っていたかもしれません。数字が大きいほど硬く、しなりにくいので技術が必要です。そのかわり、硬さを利用できれば飛ぶ。力、技術のない選手が硬いやりを使用しても記録にはつながらない。その見極めも重要です。ちなみに、やりの価格は1本約27万円です」

■人の目を気にしない

 ──競技の合間にうつぶせになってカステラを食べるシーンも話題になりました。

「これは北口のメンタルの強さと関係があると思います。日本人は道徳を大事にする。日本だけでなく世界が注目する五輪です。北口はうつぶせになるのは腹を伸ばすためと言いましたが、普通の日本人は世間体やマスコミのカメラを気にして、競技中にあの格好でカステラは食べませんよ。北口にはそんなこと関係ないのでしょう」

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