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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

日本球界からの「クーパーズタウン第1号」は400勝ボール…"黄金の左腕”はまさかの招待に頬をつねった

公開日: 更新日:

 イチローの大リーグ殿堂入りはビッグニュースとして大々的に扱われた。日本の殿堂入りも果たしているからダブル当選。ご同慶の至りである。

 けれども、だ。ニューヨーク州郊外のクーパーズタウンに立つ大リーグの野球殿堂に、日本球界から最初に入ったのは、使い古した1つのボールだった。それは“黄金の左腕”の異名をとる金田正一が400勝を達成したときのボールである。

 最初のロッテ監督になって3年目の1975年1月、クーパーズタウンから招待状が届いた。

「400勝を挙げた貴殿の偉業を表彰したいので、パーティーにぜひ出席されたし」

 記録男がびっくりした。ホンマかいな、と頬をつねったそうである。ボールを入れたアタッシェケースを右手に持って羽田空港に姿を見せた金田は、まるで子供のような笑顔を残して飛び立った。

 帰国後の話によると、「驚いたわ。表彰式にな、ヤンキースのエースだったエド・ロパットをはじめ、捕手のヨギ・ベラ、ビリー・マーチンたちが来てくれた。みんな日米野球で対戦した連中だ。興奮したよ。野球をやっていてよかった、と思ったわ。ホンマにな」。

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