著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

平然と球場を出入りする「反社」が選手をボコボコに…プロ野球選手会は八百長防止をきっかけに発足した

公開日: 更新日:
初代会長にパシフィック監督の藤本定義=1946年11月(C)共同通信社

 歌舞伎に「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」の名セリフがある。大悪党で釜ゆでの刑に処された石川五右衛門の辞世の句だが、プロ野球の世界でも悪さはいまだに生きている。

 選手会は「八百長」(敗退行為)の防止をきっかけに発足した歴史を持つ。太平洋戦争が終わり、プロ野球が復活した1946年のことだ。

 この頃、今でいう反社の人物が平然として球場に出入りしていた。そこで選手を脅かし、殴ったりするなど異常な状態にあった。八百長試合に失敗した選手への“お礼参り”だった。

 戦禍のあとの日本はその日暮らしだったが、プロ野球選手も多くは貧しく、生活のために野球を売った。南海のプレーイングマネジャー山本一人(のち鶴岡)などは、二塁から不可解なプレーを確認しやすい一塁にポジションを移したという。婦人警官に疑惑の選手を尾行するよう頼んだ球団もあった。

「これでは未来のプロ野球はない」と、各チームの主力が集まった。 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り373文字/全文791文字)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン