カナヅチキッズ急増へ…「学校プール減少」が競泳界低迷に追い打ちをかける
かつての金メダリストが警鐘を鳴らした。
日本水泳連盟の鈴木大地会長(58)が学校水泳施設や授業の減少についてコメントを発表。「学校プール施設の減少は『水泳実技授業』実施校の減少にもつながるものとして大変憂慮している」と記し、「陸上運動とは異なり水の特性を体感することから始まる水泳は、体験無くして習得することは不可能」と、実体験の必要性を説いた。
近年、全国の小中学校でプール設置数が減少。主な原因はプール施設の老朽化や維持費のコスト増加、猛暑による屋外プールの稼働日数減少、文部科学省の定める学習指導要領で実技授業が任意となっていることなどさまざま。複数校での共同利用や公営・民間プールの活用で対策を講じたいとしているが、このままでは「泳げない子供」が急増する可能性もある。
スポーツアナリストの春日良一氏はこう言う。
「こうなってしまった原因のひとつは、教育現場の教員の熱意のなさと言ったら言い過ぎでしょうか? おかしいのは、プール指導で教員はプールの中に入ることなく、陸から与えられたマニュアルを指導するだけ。『先生たちが大変だから水泳授業から手を引こう』という考えや流れになっていること自体が大きな問題です。企業もお金がなくなるとまずスポーツを切ってしまう。体の基本は運動であり、生涯スポーツであることを理解していないのです。免疫力も健康も身体運動が創出します」