著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

韋駄天・福本豊の“盗打二刀流”伝説…通算1065盗塁はプロ野球記録「3大天文学的数字」の一角

公開日: 更新日:

 2度とも記録は内野フライの犠牲フライ。加藤は本来なら凡打の内野飛球で2打点を稼いだ。加藤はこの年、82打点を挙げて前年に続く打点王を獲得した。端数の2打点が妙に味わい深い。

 福本は70年から82年まで13年連続でパ・リーグの盗塁王を独占した。72年には106盗塁をマークし、当時の大リーグ記録を破った。福本といえば盗塁、盗塁といえば福本。ところが本人は「盗塁の話はしとうない」とよく言った。一方、打撃の話を求めると口調が軽やかになった。

 打撃記録を見れば納得する。通算2543安打は衣笠祥雄と並んで史上5位にランクされているほどのヒットマシンなのである。1試合1安打を記録すれば超一流といわれるが、福本は2401試合出場だから142本も安打がしのぐ。

 ちなみに通算安打2位の野村、3位の王、4位の門田博光、5位タイの衣笠は試合数の方が多い。

 福本が首位打者のタイトルにつながらなかったのは、1番打者のため打席数が多かったからで、これはリードオフマンの宿命といっていい。球史を“盗打二刀流の福本”と書き換えよう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘