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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

自動投球判定システム導入の裏に「スポーツ賭博」…1球ごとのジャッジが“重要なファン”の損益に直結する

公開日: 更新日:

 大リーグでは、2026年のシーズンから、スプリングトレーニング、レギュラーシーズン、ポストシーズンの全ての試合で、自動投球判定システム(ABS)が導入される。

 ABSは一部で「ロボット審判」などと称されるものの、来季からも審判はこれまでと同様にボールとストライクを判定する。そして投手、捕手、あるいは打者のいずれかが即座に判定の内容の確認を求めた場合に限り、1試合につき各チーム2回までABSの映像を使って検証する仕組みとなる。

 大リーグの審判のボールとストライクの判定の正確さは、平均して約94%とされている。

 1試合につき両チームの投手たちが合計240球を投げた場合、誤ってボールやストライクが判定されるのは15球程度という計算になる。

 ABSを補助的に利用するという方針は、現状に即した、妥当な施策といえるだろう。

 だが、その一方で、審判の判定に対する近年の観客の態度を考えると、ABS導入のもうひとつの側面が見えてくる。

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