自動投球判定システム導入の裏に「スポーツ賭博」…1球ごとのジャッジが“重要なファン”の損益に直結する
大リーグでは、2026年のシーズンから、スプリングトレーニング、レギュラーシーズン、ポストシーズンの全ての試合で、自動投球判定システム(ABS)が導入される。
ABSは一部で「ロボット審判」などと称されるものの、来季からも審判はこれまでと同様にボールとストライクを判定する。そして投手、捕手、あるいは打者のいずれかが即座に判定の内容の確認を求めた場合に限り、1試合につき各チーム2回までABSの映像を使って検証する仕組みとなる。
大リーグの審判のボールとストライクの判定の正確さは、平均して約94%とされている。
1試合につき両チームの投手たちが合計240球を投げた場合、誤ってボールやストライクが判定されるのは15球程度という計算になる。
ABSを補助的に利用するという方針は、現状に即した、妥当な施策といえるだろう。
だが、その一方で、審判の判定に対する近年の観客の態度を考えると、ABS導入のもうひとつの側面が見えてくる。