著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

MLBコミッショナーがしつこく訴える「球団拡張案」の真の狙いとは?

公開日: 更新日:

 ロブ・マンフレッドはコミッショナーとなった2015年以来、折に触れて球団拡張に言及している。

 最近では8月17日に放送された米国のスポーツ専門局ESPNの「サンデーナイト・ベースボール」の中で30球団から32球団への拡張に言及した。

 大リーグが最後の球団拡張を行ったのはダイヤモンドバックスとデビルレイズ(現・レイズ)が加入した1998年。その後、現在まで新たな球団は参画していない。

 1962年にメッツとコルト45's(現・アストロズ)が誕生して以降、球団拡張がなされていない期間は最長を記録し続ける。

 そのような中でマンフレッドが球団拡張を実現すれば、球団経営者にとっては新たな収益をもたらし、選手会にはより多くの選手の出場機会をもたらすことになる。選手会から経営者寄りであるという批判が絶えないマンフレッドにとって、球団拡張は汚名を返上する好機ということになるだろう。

 具体的には球団拡張により、テレビやストリーミングでの視聴者数と球場への来場者をいずれも増加させる可能性が高まる。すなわち、テレビで放送される試合が増えれば新たな視聴者を獲得する機会が増えるし、1990年代の球団拡張の事例は、新球団の来場者は創設1年目が最も多いという事実を伝える。

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