MLBコミッショナーがしつこく訴える「球団拡張案」の真の狙いとは?
ロブ・マンフレッドはコミッショナーとなった2015年以来、折に触れて球団拡張に言及している。
最近では8月17日に放送された米国のスポーツ専門局ESPNの「サンデーナイト・ベースボール」の中で30球団から32球団への拡張に言及した。
大リーグが最後の球団拡張を行ったのはダイヤモンドバックスとデビルレイズ(現・レイズ)が加入した1998年。その後、現在まで新たな球団は参画していない。
1962年にメッツとコルト45's(現・アストロズ)が誕生して以降、球団拡張がなされていない期間は最長を記録し続ける。
そのような中でマンフレッドが球団拡張を実現すれば、球団経営者にとっては新たな収益をもたらし、選手会にはより多くの選手の出場機会をもたらすことになる。選手会から経営者寄りであるという批判が絶えないマンフレッドにとって、球団拡張は汚名を返上する好機ということになるだろう。
具体的には球団拡張により、テレビやストリーミングでの視聴者数と球場への来場者をいずれも増加させる可能性が高まる。すなわち、テレビで放送される試合が増えれば新たな視聴者を獲得する機会が増えるし、1990年代の球団拡張の事例は、新球団の来場者は創設1年目が最も多いという事実を伝える。