自動投球判定システム導入の裏に「スポーツ賭博」…1球ごとのジャッジが“重要なファン”の損益に直結する
現在、一球たりとも判定を間違えることを許さないという風潮が、観客の間で強まっている。
それは、審判の尊厳を保つためにも、いかなる誤りもあってはならないという考えによるものではない。実際には、大リーグも公式に認めているスポーツ賭博が、審判の判定に対する観客の態度に影響を与えている。
大リーグに対する賭けは、試合の結果から1球ごとのボールとストライクの判定にまで及ぶ。従って、もし試合を決める押し出しの四球が誤審であったり、ある投手の投球の判定が実際と反対のものであったりすれば、金銭的な損害を被る者が出てくる。
このとき、批判は判定を誤ったとされる審判に向くことになる。今やSNSで誰もが情報を発信できるし、「あの審判の誤審は許せない」といった怒りの感情を伴う内容ほど拡散されやすい。
そのため、要望があった場合にABSを活用すればどうなるか。
要望が出ない場合、選手は誰も判定を不服としていないということになるし、判定が覆ってもそれによって問題が決着する形になる。