著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプ大統領が「MLBコミッショナー」になる日…“伏線”はすでに張られている

公開日: 更新日:

 第2次政権の発足以来、ドナルド・トランプがスポーツ界との距離を縮めている。中でも積極的に関与しているのが大リーグである。

 今年4月にはコミッショナーのロブ・マンフレッドと面会してピート・ローズの永久追放処分からの復権を求めると、5月に大リーグ機構がローズの処分の解除を決定した。

 さらに8月24日には、前日にロジャー・クレメンス一家とゴルフに一緒に行ったことをSNSに投稿するとともに、クレメンスを速やかに野球殿堂に入れるべきだと主張している。

 クレメンスは、禁止薬物の使用疑惑により野球殿堂の選出投票で落選が続き、資格最終年の2022年も得票率が基準の75%に届かず失格となった。現時点で、クレメンスの野球殿堂の選出を支持しないというのは球界の総意である。

 それにもかかわらずトランプがクレメンスの選出に言及したのは、ローズの場合と同様に今後の選挙対策の一環という側面がある。

 すなわち、クレメンスの出身地であるオハイオ州は「オハイオを制する者が大統領選を制する」と称され、過去に何度も勝利政党が代わってきた激戦州だ。

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