「終息しなければ東京五輪中止」IOC委員発言の本当の狙い

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 一方、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏はこう言う。

「パウンド氏は今のコーツ副会長(調整委員長)とは格が違い、影響力は世界の委員に及びます。しかし、最近はバッハ会長のもとで軽視されつつあり、あらためて存在感を示したかったのでしょう。いずれにしても、世界中に拡散している新型コロナウイルス問題について、委員として一石を投じ、開催可否についてIOC内でも議論を深める必要があると考えたのだと思います」

 2002年11月に中国広東省を発生源として流行が始まったSARS(重症急性呼吸器症候群)は翌03年から感染地域が拡大し、WHO(世界保健機関)の終息宣言が出たのは同年7月。SARSと同じ経緯をたどれば、5月の終息宣言はムリだ。パウンド委員の発言を「個人的な意見」などと聞き流している場合ではない。

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