「兵器と戦術の世界史」金子常規著

公開日: 更新日:

■勝敗に果たした兵器の役割を検証

 兵器の性能は軍事力の優越を決め、時に国の運命さえ左右する。本書は、戦闘の変遷を、兵器装備がその勝敗に果たした役割から検証した名著。

 初期の兵器は、刀や槍の白兵(近接格闘戦で使用する刃物の兵器)だが、同時に投石や弓矢などの投てき兵器を使って敵を弱体化、無力化する考えも発生した。そして、領土の拡大とともに軍隊の規模も大きくなり、洋の東西を問わず二輪の戦車が戦場に登場。出土品から紀元前1600年ごろには既に木製の戦車が投入されていたことが分かるという。そうした古代の戦闘から、ミサイル形式の対空・対戦車火器が初めて有効的な働きをした第4次中東戦争まで俯瞰しながら「兵器と戦術」の役割を検証する。
(中央公論新社 1000円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞