「兵器と戦術の世界史」金子常規著

公開日: 更新日:

■勝敗に果たした兵器の役割を検証

 兵器の性能は軍事力の優越を決め、時に国の運命さえ左右する。本書は、戦闘の変遷を、兵器装備がその勝敗に果たした役割から検証した名著。

 初期の兵器は、刀や槍の白兵(近接格闘戦で使用する刃物の兵器)だが、同時に投石や弓矢などの投てき兵器を使って敵を弱体化、無力化する考えも発生した。そして、領土の拡大とともに軍隊の規模も大きくなり、洋の東西を問わず二輪の戦車が戦場に登場。出土品から紀元前1600年ごろには既に木製の戦車が投入されていたことが分かるという。そうした古代の戦闘から、ミサイル形式の対空・対戦車火器が初めて有効的な働きをした第4次中東戦争まで俯瞰しながら「兵器と戦術」の役割を検証する。
(中央公論新社 1000円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?