「それでも「美談」になる高校サッカーの非常識」加部究

公開日: 更新日:

――全国高校サッカー選手権の季節が訪れましたが、過激なタイトルの本です。
「Jリーグの誕生で指導者養成にライセンス制度を採用するなどサッカー界は他スポーツよりも進んでいる印象がありますが、名門校ほど旧態依然とした体質が残っている場合が多くあります」

――問題はどこに?
「精神面の鍛錬と言って長時間のランニングや筋トレを課します。生徒の発育を阻害し、深刻なケガを招きかねません。OBや上級生らによる体罰やしごきが、伝統として残っている例も多い」

――Jクラブでそういう話は聞きません。なぜ高校のサッカー部には残っているのでしょうか?
「ひとつは指導者の勉強不足が挙げられます。しかし、密室のような状況の下、生徒は先生に逆らえないし、結果を出して“名将”になれば、誰も意見のできないアンタッチャブルな存在になる」

――本書では、サッカー界に新風を送っている学校も紹介しています。
「たとえば広島県立広島観音高校の畑喜美夫先生は、練習メニューから試合のスタメンまで主将を中心に生徒たちにすべて決めさせています。これは彼らの主体性を引き出すためです。ちなみに練習は週に2日です」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差